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アーティスト紹介

ドゥオ・エル・バルコン

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2010年に結成されたドゥオ・エル・バルコンはブエノスアイレス市内の数多くの文化的スペースやアルゼンチンの各地(大西洋岸、パタゴニア)、その他ウルグアイでもコンサートを行ってきた。2012年には初のヨーロッパ・ツアーを行い、パリ、リヨン、グラナダ、マドリード、バレンシア、ジュネーヴ、ロンドンなどの都市でコンサートを行い盛況であった。2015年3月~4月に2度目のヨーロッパ・ツアーと初の日本ツアーを予定。
→ ファーストアルバム「エル・バルコン」について(詳細を見る)


(歌)カルラ・セチェット

MAZ_7595.jpg<プロフィール>
●カルラ・セチェット Carla Cecchetto (ボーカル)
1981年生まれの34歳。2000年から2007年まで、フアン・ホセ・カストロ音楽院で声楽を学び、2008年からフリオ・ボッカ率いるスクールでミュージカルコメディの基礎(クラシック・バレエ、ジャズ・ダンス、タップ・ダンス、歌)を学ぶ。2009年マリアーノ・ボットとドゥオ・エル・バルコンを結成、ブエノスアイレスのライヴハウスや、タンゴ・フェスティバルなどに出演、2012年3~4月にヨーロッパ・ツアーを敢行、同年8月にはパタゴニア地方でのツアーも行った。2013年ファースト・アルバム「ドゥオ・エル・バルコン」を発表、アルバム発表記念コンサートをドムス・アルティスとカフェ・ビニーロで行う。


(ギター)マリアーノ・ボット

MAZ_7629 (Large).jpg<プロフィール>
●マリアーノ・ボット Mariano Botto(ギター)
 1972年生まれの42歳。1986年、フアン・バルエコにギターの最初の手ほどきを受ける。1994年からアベジャネーダ・ポピュラー音楽学校に在籍、1996年にはモノ・フォンタナに師事し即興を学ぶ。1999年からエドガルド・カルドーソに師事し、ギター、アンサンブル、作曲を学ぶ。2006年フアン・ファルーに師事。2007年からは作詞のワークショップにも多数参加し学んだ。2002年から2006年までリト・ネビアがディレクターをつとめていた都市音楽・アート学院(EMAU)でギターを教え、現在も個人レッスンを続けている。自己の音楽活動としては1990年代にロック・グループで演奏していた他、1999年にはエディス・ロセッティのフォルクローレ・トリオ、2003年から2005年までは女性歌手セシリア・ベルナスコー二とドゥオ「マルカロー」を結成し活動。2005年から2007年まではタンゴの四重奏団「ソブレ・エル・フィロ」で活動した。



ドゥオ・エル・バルコン との出会いについて

gira2015.jpg◆ 2014年の秋、ブエノスアイレスから1通のメールが来た。「いつか日本に行きたいけど、何かいい方法ないかな?」といういつものよくあるメールの類かと思ったが、よくみると「日本に行くので手伝ってほしい」とあり、なじみのライヴハウスの名前もいくつか挙げてあった。メールの主は「ドゥオ・エル・バルコン」、女性歌手のカルラ・セチェットとギタリストのマリアーノ・ボットの夫婦デュオである。まだファースト・アルバムを出したばかりだという彼らは今回2度目のヨーロッパ・ツアー(フランス、スイス、ドイツ、スペイン、イタリア)に出発するが、その帰途日本に寄ることを決めていたのだ。とはいうものの、日本のことは全く知らず、これまで日本を訪れたアーティストのHPの写真などを見て、よさそうな店を挙げていただけで、移動距離など全く考慮していないツアー計画だったため、とりあえずPaPiTa MuSiCaでサポートすることにした。
 そんなわけで彼らの音楽を聞いたのは、その後であった。彼らはブエノスアイレスの自宅のバルコニー(スペイン語で「バルコン」)でいつも自分たちの音楽を作っており、ユニット名はそこに由来している。根底にあるのはタンゴをベースにしたオリジナル作品だが、現代のフォルクローレや、「エル・チョクロ」の作者アンヘル・ビジョルドの知られざる曲をオリジナル・アレンジで取りあげたり、ジャンルの境界を意識せずに、新しくても古くてもいい曲は取り上げ、全体としてオリジナリティを強くにじませるというスタンスは現代のアルゼンチン音楽シーンの一つの顕著な傾向だと言える。今回の来日ステージは、日本の音楽ファンに、現代のブエノスアイレス音楽のもっとも自然な姿を提示するものと言ってもいいかもしれない。
 彼らのファースト・アルバム「ドゥオ・エル・バルコン」には、2011年の「ウーゴ・デル・カリル・コンクール」作曲・作詞・音楽部門で最優秀賞を得たマリアーノ・ボット作のワルツ「無垢の光」(ルセス・デ・ラ・イノセンシア)をはじめとしたボットの作品を中心に、アンヘル・ビジョルド作「永遠の歌」、チャルロ=オメロ・マンシ作「君の蒼ざめた声」、タンゴの古典「歌いながら」も含まれ、「歌いながら」にはリディア・ボルダのボーカル、CD冒頭を飾る「夜と田園」にはモノ・フォンタナがキーボードでゲスト参加している。

西村秀人 “PaPiTa MuSiCa”